2020年まで続いた大学入試センター試験が廃止され、2021年1月から「大学入学共通テスト」が始まりました。
- 「今までのセンター試験と何が違うの?」
- 「実質は同じで名前だけ変わったの?」
といった様々な疑問があるかと思います。
今回は、大学入学共通テストとは何か?を中心にお伝えします。
なぜ、センター試験ではなくなったのか?
センター試験は、1990年に始まった大学入学時に1次受験する共通試験です。
マークシート式であると同時に、「暗記+考えさせる設問」構成になっていたので、高校の先生の中でも評価が高かったそうです。
しかし、最近の社会情勢は、
- 勉強ができる
- 暗記ができる
- 設問を解く思考力がある
といった認知能力よりも、
- 自ら問題を発見する力
- 自ら答えを出し新しい価値を創造する力
いわゆる非認知能力が重要になってきています。
そこで、文部科学省は、従来の試験ではなく「思考力や判断力、表現力をより重視する」、
大学入学共通テスト試験に切り替えたのです。
◆文部科学省:令和3年度からの大学入試
https://www.mext.go.jp/nyushi/
大学入学共通テストはどうなっているのか?
大学入学共通テストは、上述の通り、マークシート方式だけでなく記述式をも加味した、思考力や表現力を重視する試験になるはずでした。
◆文部科学省:令和3年度大学入学者選抜実施要項
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/mxt_kouhou02-20200619_1.pdf
ところが、令和3年度(2021)の試験では、その肝心な『国語』、「数学Ⅰ」及び『数学I・数学A』における記述式問題の導入を見送ることになりました。
◆文部科学省:令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の見直しについて(通知)
https://www.mext.go.jp/content/20200130-mxt_daigakuc02-100001207_2.pdf
記述式問題の導入を見送った背景として、制度への不備や不安が多く指摘されたことがありました。
特に、毎年50万人以上が志願する共通テストで、記述式問題を果たして公平に採点できるのか?といった不安の声が高校側から多く出たことも要因の1つになっています。
英語の試験はどうなってるの?
また、英語の試験についても、大きく変わる予定でした。
特に、センター試験では筆記(200点)とリスニング(100点)にわけていたのを、リーディング(100点)とリスニング(100点)に変更されました。これにより、より一層聞き取りを重視する設問にシフトしています。
ただし、各大学は、選抜に使う配点を独自に設定できるため、受験する大学によっては配点配分が変わってしまうことがあります。そのため、英語に関しては各大学の受験要項も確認した方がよいと思います。
結局何が変わったのか?
今後も大学入学共通テストは大きく出題内容が変更される可能性がありますが、原則としては、
- 社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する
- 資料やデータなどをもとに考察する
といった場面設定を重視するそうです。
今後は、上記のようなビジネスの現場で実際に想定されるケースで、身近に起きうる問題を解く思考力が問われることになりそうです。